焙煎士の想いをお届けする コーヒーのセレクトショップ

三善屋珈琲

榊原尚宣

「苦すぎて飲めない」と言われたことが美味しいコーヒーへの探求に

大学進学後に下宿先でコーヒーを淹れ始め、それを美味しいと思っていました。しかし夏休みに帰省した際、母に飲ませたところ「苦すぎて飲めない」と一刀両断され、「今まで自分が美味しいと思っていたコーヒーは苦くて不味い物だったのか」と衝撃を受けたのが「美味しいコーヒー」探求の原点です。以来、様々な書籍を読み漁り、札幌の自家焙煎店などに通いつめ、コーヒーに情熱を注ぐようになります。

焙煎機

焙煎士になるきっかけは小さな焙煎機との出会い

コーヒーに熱中し始めて約5年、毎日コーヒーを淹れる習慣はデンマークに留学しても変わりませんでした。それをほかの生徒に振舞っていたところ、皆が「Nao or Never」という屋号とロゴをくれたのがお店の始まりです。

そんな中、3月に突然のロックダウン。学校が閉鎖され、行き場がなかった僕は友達の家に居候することになります。沈んだ気持ちで過ごしていたのですが、なんとその家に小さな電気式のコーヒー焙煎機があるというミラクル! 早速焙煎を始めたところ案外と美味しく焼けたので、調子に乗ってお店を始めることに。

それ以来持ち前の探求心に突き動かされ、様々な洋書やインターネット上の教材を読み漁り、各地のロースターを訪れ、焙煎機もアップグレードするなど、コーヒー好きを感動させられるコーヒーを目指して研鑽を重ね始めました。

色

自分の色を出していくために

僕は今まで一人のコーヒー好きとして、国内外の一流ロースターが焼いた高品質のスペシャルティコーヒーを毎日飲み続けてきました。 好き嫌いでは語れない、本当に美味しいコーヒーとは何かを知ることができたと思います。 また、自分がコーヒーを提供する側に立つようになってからは、SCA(スペシャルティコーヒー協会)などが定めるコーヒーの評価方法も学び、他の焙煎士やQグレーダー(コーヒーの味覚評価の専門家)とも積極的に交流することでスキルに磨きをかけてきました。

それらを踏まえ、自分自身が感動できるコーヒーとして、

・素晴らしい生豆を使用していること。
・高品質なコーヒーが持つ風味特性を十全に引き出していること。
・焙煎に由来する雑味、過度の酸味や苦み、煙臭さなどの欠点がないこと。
・十分な厚みと甘さがあること。軽い味わいにするならどこまでも軽快であること。

常にこれらすべての条件を満たすコーヒーを焙煎するのが目標です。

また、これは世界中のスペシャルティコーヒーロースターたちの共通の目標でもあり、試行錯誤が重ねられています。自分の色を出していくためにも、彼らが発信する情報を積極的に取り入れ、日々前進していくことが現代の焙煎士には必要だと思っています。

焙煎とは科学

焙煎とは、科学です。知識を基に仮説を立てて実際のデータから検証を重ね、最も好ましい結果を複製して美味しさを届けるという、科学的な営みです。また、職人的要素も多分にあり、技術を地道に身に着ける必要もあります。

膨大な知識と経験を積み重ねて筋道の立った考え方ができなければ、前には進めません。 ブレることなく客観的に味を分析できなければ、どちらに進めばいいかもわかりません。 機械を適切に操り、狙った通りのことを実行できる精度がなければ、品質は安定しません。

「焙煎はアートだ」とおっしゃる方もいますが、その方が美味しいコーヒーを焼かれるなら、間違いなく上記のプロセスを繰り返しているはずです。

無数の焙煎を経験して、様々な味を引き出す焼き方を理解し再現できなければ思い描く通りの焙煎などできないからです。 皆さんに美味しいと思ってもらえる味をあれこれ考えながら、このような心構えで焙煎に取り組んでいます。 僕は自分を研究者タイプだと思っているので、焙煎という仕事に巡り合えたことは天命なのかもしれませんね。

ワーク

榊原尚宣のこれから

いつも向上心を持ってどんどん美味しいコーヒーを焼いていきたいですね。 毎月開催しているオンラインでの勉強会や焙煎相談室にも力を入れていこうと思っています。

また、9月よりドイツの大学に留学するべく準備をしていますが、渡航してからも定期便などの形で日本の方々にもコーヒーを届けていきたいです。勉強しながらゆっくりと規模を拡大し、今より大きな焙煎機を買ったりコーヒースタンドを持ったりするのも目標の一つです。

大学院などで研究する段階になったら、生産国でのコーヒーの栽培にもアカデミックな立場から関わっていけたら嬉しいですね。欲張りな目標ですが、ゆっくり実現に向けて歩を進めていきます。

Nao or Never Coffee 榊原尚宣

1997年2月19日生
北海道大学建築都市コース中退
有機・不耕起農家にて研修
デンマークのフォルケホイスコーレに一年半留学
2021年9月よりドイツのRhine Waal大学にて持続可能農業を専攻予定

榊原尚宣のコーヒー豆

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